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2009-11

茅刈りイベントのご案内

「茅刈りイベント in 花山中尾台
 ~道路沿いで茅を刈ろう!!」

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【会場】北区花山中尾台2丁目道路沿い(ひこはち公園南側)

【日時】平成21年12月12日(土)10:00~15:00(雨天時は13日に延期)

【集合場所】神戸電鉄花山駅前ロータリー

【集合時間】9:30 

【参加費】500円

【申し込み】ハガキかFAX、電子メールのいずれかで、件名「茅刈りイベント」とし、住所、氏名、電話番号、生年月日、性別を記入して、下記まで申し込みください。

【定員】30名 (申込多数の場合は抽選になります。)

【締め切り】12月4日(金)消印有効

【主催】北区役所まちづくり推進課 【共催】花山手自治会
【後援】建設局北建設事務所・教育委員会事務局・神戸市すまいの安心支援センター

【問い合わせ先】
〒651-1114 北区鈴蘭台西町1-25-1
北区まちづくり推進課「茅葺き」係
TEL 593-1111(代)  FAX 593-1166
電子メール kitaku@office.city.kobe.lg.jp

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走り抜けて想うこと

先週末、全国茅葺き民家保存活用ネットワーク協議会主催の

かやぶきシンポジウム〜都市と農村の恊働する茅葺き民家〜

神戸市北区で行われました。

 

全国のかやぶき職人を中心に、かやぶきに関わり、愛するすべての人々が

神戸市北区に集いました。

 

くさかんむりもホスト側として開催地報告をすることになっていますので、

今年の僕はこのシンポジウムに焦点をあてて動いていたと言っても過言ではありません。

神戸のかやぶきに関する取り組みを次の段階へ持ってゆくためのカギになる

とても大切な催しだと思っていました。

 

本来は5月に開催予定でしたが、新型インフルエンザが神戸で発症したことで

今月に延期になり、十分な準備期間が得れたと安心していました。

 

そんな矢先、親方が怪我をしてしまい長期の入院をすることになりました。

僕はまだ修行中で正直どうしてよいのかわからなかったのですが、

今の神戸のかやぶきに関する取り組みに吹いている良い風を、

流れを止めたくはなかったのでとにかく走り続けました。

 

現場に打ち合わせにイベントに・・・

することが山ほどあり、気がつけば髪の毛は僕の人生で

最も長くまで伸びていた。

 

約5ヶ月間休みなしで走り続け、

シンポジウム当日は、正直何を言って何をしたのかよく覚えていません。

記憶を曖昧にしてしまうほど僕のカラダは加速していたようです。

 

シンポジウムという山を超えて数日が経つと、

以前のような時間の流れがカラダにもどってきて、

散らかった机の上にたくさんの交換した名刺が置いてあるのを見ると、

無事に終えることができたのだとホッと安堵し、

いつものようにじぃちゃんと他愛のない話をしながら縁側でいっぷくをした。

 

神戸のかやぶきに吹く風は、止むことなく吹き続けているだろうか。

いやきっと、もっと良い流れをもってこの先へ吹いていると思う。

 

参加してくださったみなさま、ありがとうございます。

そして、走り続けていた僕を見守り、助けてくれたみんな、

ほんとうにありがとう!

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茅刈りシーズン到来

ついに茅刈りの季節がやってきました。

百姓出身としては何か燃えるものがある茅刈りという作業。

今期一発目は農村景観日本一ということで有名な

岐阜県恵那市富田地区の岩村で鎌おろし。

 

なぜわざわざ岐阜県まで茅を刈りに来たのかと申しますと、

岩村地区にある来年春に葺き替え予定のかやぶき屋根に使う茅を

春日井市立中部中学二年生対象の校外学習で刈り取るため、

茅刈りの指導をしに行ってまいりました。

 

恵那山を遠くに望むことの出来る休耕田を利用した茅場。

天気も良く絶好の茅刈り日和ですね。

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まずは葺き替え予定のかやぶき屋根を見学。

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今から刈り取るススキがどうやって屋根になるのかの説明を受け、

良い束をつくることの大切さを知ってもらいます。

 

茅場についたらまずは刈り方を地元のおっちゃんに教えてもらいましょう。

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基本的なことと、刃物の取り扱い方を教えたら

あとは実践あるのみ!

150名の好奇心の固まりを茅場へ解き放ちます。

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これだけ人数がいると早い早い!

あっという間に茅場がひらけてゆきます。

茅刈りはやっぱり人海戦術ですね。

茅の運び出しも人海戦術ならあっという間。

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茅が列をなしてどんどん運ばれてゆく風景は圧巻でした。

ここいらでお昼ご飯。

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腹が減っては戦は出来ぬ。

午後からも新たに150名が茅を刈りにくるので

腹ごしらえして備える地元のおっちゃん達。

 

そして再び人海戦術!

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午前、午後あわせて300名。

ひとり一束だけ刈っても300束の茅が出来てしまうこの攻撃力。

う〜んすばらしい。可能性を感じる取り組みですねぇ。

 

学生たちも楽しんでいました。

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スケジュールの都合上、一時間ほどしか刈り取りの時間がなかったので

不満げな声もちらほら。

おもしろくなってきたところで帰らなければならないのはつらいですね。

来年はまる一日つかって茅刈りを味わってほしいなぁ。

 

なんなら春や夏に茅場の植物の観察も出来ますし、

里山の自然を学習する場所としてはもってこいです。

夏に来た時にはユウスゲが咲いてましたし、

今も咲き遅れのワレモコウが一輪。

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茅場は四季を通して訪れると様々な表情をみせてくれます。

中部中学校のみなさん、岩村のおっちゃん達、おつかれさまでした。

葺き替え、楽しみにしておいてくださいね。

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弥生時代までたどり着きました

神戸市埋蔵文化財センター主催のイベント、

その道の達人に学ぶ体験講座 〜竪穴式住居をつくろう〜 に

竪穴式住居づくりの達人として行ってまいりました(笑)

 

埋文には足しげく通っていましたが、こういうかたちで

自分が関わるようになるとは夢にも思っていませんでした。

嬉しいかぎりです。

 

今日は苫をつかっての屋根葺き。

骨組みは前日のイベントで作っておいていただきました。

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ではさっそく恒例の男結びから。

お子さんもちいさな手でがんばります!

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そうしている間にすぐ横でお昼の準備。

サヌカイトの石包丁で鶏肉をさばき、

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復元された弥生式土器でアサリと一緒に煮込みます。

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味付けは寒水を少々。

う〜ん、本格的。

さすが埋文です。

 

さて、男結びを覚えたら苫を編んでゆきます。

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苫は誰でも編むことができるので良いですね。

お子さんにも体験してもらうことができる

かやぶきの裾野の広さを感じさせてくれる業です。

 

さて、ここいらでお昼にしましょう。

弥生式スープも出来上がり、赤米も炊けました。

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赤米には寒水を煮詰めてつくった塩をふりかけて、

本来の赤飯を味わってみましょう。

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ちなみにこの塩、あなどるなかれ、旨いんです!

食塩のような喉にイガイガする感じがなく、

口にいれたあと風味をのこしてスッと引いていく。

是非、埋文で「古代塩しらさぎ」とか言って販売してほしいなぁ。

スープも絶品でした。

塩が良いと小細工をしなくてもおいしくなるんですね。

 

さて、カラダの中に弥生を注ぎ込んだあとは

苫を屋根にかけてゆきます。

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もっとも古代人にチューニングが近いからなのか、

子供たちの独壇場に!

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あれよあれよと言う間に完成です。

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苫は仮の小屋に用いられている業なので

弥生時代の住居という意味では少しラフすぎる感じはしますが、

雰囲気は出たと思います。

 

少なくとも全国の遺跡で復元されているような

現代のかやぶき職人が現代の道具を使って葺いた竪穴住居よりは、

再現性の高いものではないでしょうか。

 

弥生時代の住まい方や住居のタイムスパン、

穂首刈りしたあとのワラの使用法や

骨組みにいたるまでもっと考察しなければなりませんが、

(ここからは僕の推測ですので参考までに)

ワラはススキと違い根元が柔らかく、ノコガマのようにギザギザした

石器なら十分に刈り取ることができたと思いますし、

金属のハサミが登場するのはもう少し後の時代だと言うことと、

古代種の稲は現代の品種改良されたものより背が高く、

葺き材にすれば少量で面積がかせげるので

逆葺きにするのが自然だと思います。

 

苫のように編んでおく必要はないかもしれませんが、

弥生時代の住居を考える時に稲ワラの逆葺きというのは

無理のない選択肢ではないでしょうか。

 

かやぶきは手に入りやすい身近な素材をつかいますので

米の副産物としてのワラを古代人が使わなかったというのは

僕としては考えにくいです。

 

ワラを屋根に使ったのであれば施肥の問題も考えなければなりませんが、

当時の稲は今ほどの収穫量もなく、野生種に近いものだったでしょうから

落ち葉や人糞、古ワラを戻す程度で

それほどシビアなことでもなかったのではないかとも思います。

 

まぁ、そんなことよりもみんなで楽しく屋根が葺けたので良かったですね。

参加者のみなさん、来年も是非参加してくださいませ。

そして全国の考古関係者のみなさん、僕に竪穴式住居を葺かせてくださ〜い!

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トーキョーのカヤブキ

淡河そら祭りのあと、山城萱葺屋根工事のお手伝いで

東京の現場へ行ってきました。

 

地下足袋で小田急に乗り込んで通勤です。

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いきなり東京な感じ。

帰りはこの風景に茅クズがプラスされ

よりいっそう注目を浴びます・・・

 

現場は鈴木工務店の敷地内にある可喜庵というステキな名前のかやぶき。

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向かいの空き地にはミゾソバが群生する素ぼりの水路があり、

ひとくちに東京と言ってもまだこのような環境が残っていたりするんですね。

 

僕が着いた時にはもう棟納め。

芝棟と言うかやぶきのてっぺんを草で覆う方法で納めます。

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芝を敷き並べるのは造園屋さんにお任せ。

水苔を敷きつめた上に野芝を丁寧に並べていきます。

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造園屋の親方、基本的に手袋はしないそう。

曰く、「微妙な感覚は素手じゃないとわからないから」

まったくその通り。

親方のその姿勢はお弟子さんの出で立ちからも感じられます。

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地下足袋に脚絆、乗馬ズボンに前掛けに手甲。

しかも全身藍染めとはお見事です。

 

庭という仕事柄、自分たちが風景の一部であるということを

よくわかっているからこその出で立ちです。

ワレワレも高いところで仕事をして目立ちますので

見習わなければならないですね。勉強になりました。

 

納まったらこんな感じ。

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ところどころに、カキツバタやノキシノブなどを植え込んでおきます。

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宿根の植物を植えておけば毎年時期がくれば花を咲かせて

目を楽しませてもらえます。

あとは鳥などが運んできた種が根付いたりして、

何年かのちにはどのような姿になっているか楽しみです。

 

あとはハサミをかけて仕上げてゆく段取りなのですが、

その前にトビといわれる部分に屋号の山喜と火よけの水の文字を刻みます。

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いきなり下書きなしで刻み出すのではなく、

まずは文字の型を作り

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スプレーでシュー!

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ハサミで彫り込みをいれたら
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スプレーでシュシュー!
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最後に型を外せば出来上がり。

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まるでヒップホップのステンシルグラフィック。

8ビートのリズムで進行する作業でした。

 

あとはひたすらハサミでちょきちょき。

仕上がった日の夜は一晩限定でライトアップ!

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なんだかとてもありがたい輝き。

金色の大仏さまが山を背景に座禅を組んでいるようでした。

 

かやぶきが竣工すると同時に、

向かいの空き地が宅地化の工事に入りました。

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もうミゾソバが淡いピンク色の花をさかせることはありません。

曲がりくねった素ぼりの水路の穏やかな流れで遊ぶことも出来ません。

 
かやぶきは残り、原っぱは消えた。

ひとつの大切だと思うものを残そうとする意思と、

東京という都市のもつ強大な意思を同時にみた思いがしました。

 

神戸への帰り際に立ち寄った武相荘

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葺き替えをしていた三年前は屋根を触らせてもらえず、

茅運びばかりでしたが思い出深い現場。

懐かしい顔ぶれと、相変わらずかやぶきの前にドンっと陣取った樫の木に

少し嬉しくなった。

変わらないってのもいいもんですね。

淡河そら祭り〜何かのはじまり〜

 

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淡河そら祭りから二週間が経った。

今までブログをアップできなかったのは

忙しすぎたということもあるが

それ以上にあの経験を言葉にしてしまうのが嫌だったからだ。


肌で感じたことをそのままに、感触として、記憶として、

そっと、そしてじっくりと大切にカラダのなかで熟成させたかったからだ。

 

言葉の届かない領域の経験を言語の世界にまで引っ張り上げてくることで

何か大切なものがこぼれ落ちてしまいそうになるのがきっと嫌なんだろう。


夜中にみんなで屋根を葺き、最後はバカ二人

明け方までかかって葺き上げたことや、

全身びしょ濡れになりながら人や音楽や泥にまみれたこと。

かやぶきティピのなかで子供たちとじっと火をみつめていたことや、

凍えたカラダに流し込んだラムチャイの味・・・

 

それでも結局こうやって記述してしまうのは僕がまだまだ若造だということと、

「伝えたい」という想いが勝っているからなんだと思う。


前置きが長くなってしまったけど、

そんなことで更新が遅れてしまいました。

いつも楽しみにブログをのぞいてくれているみなさま、お待たせしました。

淡河という場所が踏み出した新しい一歩をお伝えしたいと思います。

 

 

開催時間と同時に降り出した雨。

皆が恨めしそうに天を見上げていたが淡河という場所はもともと湖で、

漢字をみてもわかるように水に縁のある土地。

僕には淡河という場所が祭りを歓迎してくれているように思えた。

 

会場の綺麗に整備されたグラウンドは、

まるで淡河が湖だったころの記憶を取り戻していくように

雨と人の往来で次第に泥へと環っていく。

 

跳梁跋扈する子供たち。

みなで環になり踊る淡河音頭。

どろどろになった会場は、

すべてを溶かし込んであらたなものを精製する

大きなるつぼのようだった。

 

そういえば淡河(オウゴ)とは古語で「交尾する」の意。

まみれ、交わり、何かがうまれる。

きっと、淡河そら祭りは淡河という場所の産み落とした嫡子なんだろう。

 

ネイティブアメリカンの泥から始まる神話のように、

縄文人があの繊細で逞しい造形をつくりあげるためにこね上げた粘土のように、

泥だらけになった会場は、何かのはじまりを感じさせてくれました。

 

とは言え、祭りに関わったみなさま、訪れてくれたお客さま。

足下は悪く、おまけに寒い一日だったのでつらかったと思いますが

最後までありがとうございました!!!

そしてまた来年も淡河でお会いしましょう!

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