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2010-06

天翔る龍

 

早朝の澄んだ空気の中を龍が泳いでいた。

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今年の冬、西ノ宮上空に発見。

幽けき声に耳を澄ます

家の前を流れる川にホタルがゆらゆら。

そんなにたくさんいるわけではないけど、

かえって光と光との間に充満した暗闇に、

自然の息づかいのようなものを感じとることが出来て僕は好きだ。

七、八年前に親友とホタルを用いた作品をつくることになり、

音響担当だった僕は兵庫県内のいろんな川で

夜通し録音をしていた時に遭遇した景色が今でも忘れられない。

カジカガエルの声があまりにも美しいので

録音していることを忘れてしまうほど聞き入ってしまい、

ふと我に返って顔をあげると、

月明かりでうす青く光る霞がかった川面に、

地の底から無尽蔵に湧き出る精気のようにホタルがゆらめいていた。

本当に幻想的で怖くなるほど静謐で美しい世界。

あの時の川の向こう岸はあの世だったかもしれない(笑)

そういや見えないものが見えて、聞こえないものが聞こえちゃったのも

その時だったかなぁ(大笑)

とは言え日本のホタルがつくるマイナーコードの世界は

かやぶき屋根のおかれている状況とよく似ているように思う。

どちらもあるレベルでの保存や保護が必要になっていて、

不自然なカタチでの意識のされかたをしてしまっている。

もちろん放っておくとあっという間に消えてなくなってしまうかもしれないので

保存や保護をすることは悪いことではないし必要なのだが、

やっぱりそういう姿勢で何かに関わり続けるのは苦しいと思う。

僕も「保存会」という看板をしょって初めて身にしみた。

ではどうしたらいいのか?なんてことを考えてもみるけど

そんなすぐに答えが出るような簡単な問いではない。

けれどひとつだけ確信をもって言えることは、

「残す」のではなく「残る」ようにすること。

ホタルにしてもかやぶきにしても、

言葉をもたない彼らの幽けき声に耳を澄ます聴力、つまり【sense】が

人間にあれば残るべくして残ると思うのです。

カタチだけ保存されたモノやコトに遭遇して悲しい思いをするのは、

そこにきらめく【sense】が不在だからだ。

逆にその【sense】なしに何かを残していくことは難しいと思う。

ホタルやかやぶき、野の花や農夫の顔に深く刻まれたシワなんかに

感じ入ることが出来るかどうかにかかっている。

くさかんむりの役割はそういう聴力のレッスンの場をつくることだと思う。

閉じた耳を外に向かって開いてゆくかろやかなあそび場。

茅場の整備や業の継承などの

具体的にかやぶきを残すことが出来る環境づくりも並行しながら、

そんなかろやかな場がつくれたらその先に

言葉の本当の意味での保存があるように想う。

久々に長々と書き綴ってしまいました。

ホタルと夏至の近い太陽の光にあてられて

言葉があぶりだされたようです。

冒頭に書いたホタルを用いた作品は

くさかんむりのホームページをデザインしてくれた

sinplexの山本真也くんとの共作です。

もし興味があれば部屋の灯りを消してあそんで見てください。

言葉をもたないものたちの美しいデモンストレーション(画像をclick!)

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幸せなかやぶき

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淡河の友人、シンガーむぎちゃんと太鼓タタキのしんちゃんの結婚お披露目会。

 

つくも窯でおなじみのかやぶきイベントスペース「気まま空間 いなかっぺ」に

150人もの人がやってきた!

 

響くリズム、沸き出る歌声、熱気、笑顔、踊る人々、これぞ祝祭の空間!!!

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踊り疲れて中庭からかやぶきを眺めたとき、

二人の門出を祝う空気に満たされたかやぶきを見て、

「あぁ、いいねぇ!」と思わず声が出てしまうほどなんだか嬉しかった。

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こんな活き活きとした、とびきり新鮮な空気で空間を満たしてもらえる

このかやぶきはホント、幸せものだ。

地元にこんなかやぶきがあることに、あらためて感心した夜でした。

 

最後になったけどしんちゃん、むぎちゃんおめでとう!

そしてすばらしい時間をありがとう!

くさかんむりな営み 〜茶の風景〜

山城萱葺屋根工事の現場のお手伝いで京都の南部へ行っていた時のこと。

こんな感じ↓の建造物がそこここに。

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これは何かと申しますと玉露の栽培小屋だそうです。

 
玉露は収穫前の一定期間、日光を遮断することによって旨味が増し、

あのふくよかで濃厚な味になるそうです。

 

しかしこの玉露栽培小屋、よくみるとワラで屋根がつくってあります。

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遮光材としてワラをつかっているんですね。

しかも感動したのが収穫を終えると肥料として畝の間に敷きこむんです!

 
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これも立派なかやぶきの、草の営み。

アタマの上に艹(草かんむり)がのっかっている。

そういえば漢字の部首の草かんむりって文字の上にのっかっているけど

なんだか屋根みたいですねぇ。
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産まれ変わりの巨大な装置

 

僕の住む淡河の村では4年に一度「行者参り」といって

奈良県の大峰山に皆で登る「」がまだ残っています。

 

皆で山に登って何をするのかと申しますと、

山頂にあるこんな断崖絶壁に↓

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縄一本で吊るされます↓

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健康な関西人なら何しとんねん!とつっこみたくなる風景でしょうが

じつはコレ、古来から連綿とつづく通過儀礼なんですね。

伝統的な成人式というところでしょうか。

 

少年が大人になるために山に登り、

崖に吊るされ「死」の領域へ接近することによって

少年の自分を擬似的に殺し、

大人に産まれ変わって山を下りる。

山全体が女性の子宮のような存在なんでしょう。

だから今でも女人禁制。

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戦後一度だけアメリカ人の女性が女性差別だといって登ってしまったそうです。

しかし決して女性を差別しているから女人禁制なのではなく、

もともと女性はそのカラダに様々な通過儀礼がインプットされていますので

わざわざ崖に吊るされたりしなくてもいいから女人禁制なんだと思います。

なので女性は登って吊るされても特に効果がないのでしょう。

 

男はこんなたいそうなことをしないと人生の節目をうまくこえれなくて

色々と手のこんだことをする。

それを女性に見られたくないから女人禁制なのかもしれません。

 

しかしこの奈良大峰山、西の覗きという大掛かりな産まれ変わりの装置は、

現代でも有効な通過儀礼だと僕は思います。

カタチだけの同窓会のような現在の成人式をするくらいなら、

こちらの成人式のほうが断然ステキです。

 

ちなみに僕も4年前にしっかり吊るされました。

今回はお礼参りなので吊るされませんが。

嬉しいような寂しいような・・・
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トマトマ

  • 2010-06-07 (月)

先日、パソコンの中で散らかりっぱなしの画像を整理しようと思い、

去年の画像をぱらぱらと見ていたら苫とまトマトマトマだらけ。

そう言えばワークショップやイベントで苫を編みまくっていたっけか。

 

カヤコヤからはじまり、竪穴ワークショップまで下半期は苫三昧。

たくさんの成果と思い出と可能性がある苫なので、

カテゴリー「」をつくってみました。

よかったらのぞいてみてくださいませ。

 

あと、今年もトマトマしますのでトマトマしたい方はお楽しみに!

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いちまんさんぜんねん

 

先月末、滋賀県文化財保護協会が発表したニュースに僕は釘付けになった。

 

「国内最古級の土偶出土」

 

滋賀県東近江市にある相谷熊原遺跡から縄文時代草創期(約1万3前年前!)の

土偶が出土したのです。

 

ふくよかな女性の肉体をかたどったと思われるちいさなちいさな土偶。

しかしそのちいさな肉体から溢れ出る豊穣さに、

縄文の土偶というよりもヴィレンドルフレスピューグといった

ヨーロッパ旧石器時代の女神像のような印象をうける。

 

ほんとうに可愛らしくて美しい土偶なので新聞に掲載されている写真を

何度も何度も眺めていました。

 

いちまんさんぜんねん前の人々はこのちいさな粘土のかたまりに

どのような想いをこめていたんでしょうね。

大昔の遺跡からこのような出土があるたびに

古代人から現代人にむけて発せられたメッセージのような気がします。

 

 

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