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2012-05

雨宿り

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「雨ようふるなぁ」

「そやな」

「蛙がよろこんどるわ」

「そやな」

「ほなボチボチ行こか」

「そやな」

ぽつりぽつりと雨だれみたいに

コトバがこぼれて並んで落ちる。

なんでもない、たださらさらとした時間。

じぃちゃんとぶるまんで雨宿り。

タテ糸 ヨコ糸

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里に響く太鼓の遠音。
地面から沸き上がるような蛙の合唱。
朗々とカラダから流れ出る唄。
軒をくぐるツバメの羽音。
餅を搗く二拍子のリズム。
あそぶ子供たちの足音…

賑やかな空気にくすぐられたのか
戸板が開け放たれたかやぶきの家は
まるで大きく口を開けてわっはっは〜!と笑っているようだった。

なんだろう…うまく言えないのだけれども
「かやぶき屋根を葺く」ってこういうことなのかなって思った。
誰かの喜びをみんなの慶びとして共有する。
きっとかつては当たり前だった光景。

僕は何もあたらしいことをしているわけではなく、
自分が出会ったかやぶき屋根や
じぃちゃんばぁちゃんの昔話に垂れ下がっている
「歴史」というほつれてちぎれてしまいそうになっているタテ糸を
丁寧に紡いで縒り合わせ、
そこに「今」という空気をたっぷりと孕ませながら
色鮮やかなヨコ糸をみんなで織り込んでいるだけ。
タテ糸とヨコ糸が織られ重なり強くなり、
たくさんの紋様の浮かびあがる一枚のモノガタリが織りあがってゆく。

大切なことは大切だと思ったことを次へ繋げることだと思った。
この日のことが、将来みんなの昔話になったらステキやな。

ドドンと場を立ち上がらせてくれた太鼓唄の七海さん。
とても風の似合う昇り旗の書をかいてくれた書家の中西さん。
僕の無理なお願いを聞いて下さってありがとうございました。
そして準備を手伝ってくれたみなさん。
遠くから近くから来て下さったみなさん。
最高の唄を聞かせてくれた当主の永福さん。
ほんとうにありがとう!
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これからもこのような機会をたくさんつくっていきます。
鮮やかなヨコ糸をいっしょに織り込みに来て下さいね。

永福家住宅見学会のお知らせ。

淡河町神田の歴史を300年前から見守り続けてきた神戸市登録文化財の永福家住宅。

今回の葺き替えで使用した茅は、

屋敷のまわりに広がる田んぼの畦で刈り取ったものを

数十年かけて永福さんが自らの手で刈り取って屋根裏に大切にしまっておいたもの。

このかつて当たり前だったかやぶきの本来の「在り方」がまだ生きている

土地の記憶がそのまま立ち上がったかのような奇跡的なかやぶき屋根。

建設業ではなく「農の営み」の延長線上にあるかやぶき屋根を見に

淡河まであそびにきませんか?

日時  5月20日(日) 13時より15時ごろまで。雨天決行
場所  神戸市北区淡河町神田434 
問合せ ogo@kusa-kanmuri.jp

当日は大工の棟梁で、唄の大大大好きな永福さんがめったに唄わないという

「棟上げ」の唄から昭和の流行歌まで幅広く披露して下さいます。

そして餅つきをしながらみんなで宴をしましょう!
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ポエジー

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薄暗いヒカゲにひっそりと咲くフタリシズカ。

この花に名前をつけた人に会いたくなった。

五月の植物はどれも美しい。
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listen…

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かやぶきの仕事をするということは、

毎日じぃちゃんばぁちゃんと話をするということでもある。

縁側に座ってお茶をすすりながら長々と話をする。

時に大きく一服の時間を割いて話をする。

何の話をするかというと今の世の中がどうこうなんてことよりも

昔話が中心の思い出話がほとんど。

現場の効率を考えるとそんなことをしていたら時間がもったいないと

思われるかもしれないが、

いま生の声で昔話を聞かない方がもったいないと僕は思う。

話をするといっても僕はおおかたうんうんと頷いているだけで

ただ聴くことに徹している。

深い深い地下水脈に呼び水をするようにして

こんこんと話が湧いて出るのを待っている。

その湧き出た地下水脈の水は、

カラダに眠る本人も知らなかったような記憶にじんわりと沁みわたり、

僕たちの人生に瑞々しさと新しい芽吹きを与えてくれる。

じつはその通奏低音のような地下水脈は

「文化」や「歴史」とよばれるものの脈動なのではないのかと思う。

かやぶきの家とそこに住まうじぃちゃんばぁちゃんは

その土地のモノガタリの湧水地点。

おいしいお水が飲みたくて、

今日もかやぶきの縁側で耳を澄ます。
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ちはやぶる #2

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村の御田祭にて。

榊を稚児が土にたて、

その榊と湯立てで清められたクマザサをそれぞれの家に持ち帰り苗代にたてる。

むかしむかしから続く豊作祈願の神事。

さおり、さおとめ、さばえにさなえ。

さかき、くまざさ、つちにちご。

おろち、かぐづち、ちはやぶる。

なんだか「ち」とか「さ」とかの語感や響きがぴったりくる空気の季節。

ちはやぶる

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空に向けてヨシをたてると

中之島が中洲だったころの記憶を取り戻したのか、

水が悦び雨が降り、土が震えて稚児が飛び跳ねる。

ちはやぶる五月の気層。

これまさにこどもの日。

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ステキなまつりにさそってくれたパーマカルチャー関西のみなさま。

中之島まつりの実行委員のみなさま。

そしてまつりに来て下さったみなさま。

ありがとうございます!

今年はくさかんむり演奏のプロローグでしたが、

来年は山城萱葺屋根工事が琵琶湖淀川水系のモノガタリを

含蓄のあるコトバで語ってくれますよ。

みなさまお楽しみに!

中之島まつりにて。
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